誠建設工業グループ
長かった。実に長かった。 スコアカードの「9」という数字が、これほどまでに愛おしく、誇らしく、眩しく見えたことはない。 数年ぶりの96。 たかが96、されど96である。 思えば、この数年は夜ごとにYouTubeの海を漂い […]
レジの前に立った瞬間、胸の奥で何かが崩れた。 手にはモンベルの袋。必要のない防寒具。 だが――買わねば凍死する。そんな錯覚に取り憑かれていた。 理性は叫んでいた。「今じゃない」と。 しかし指先は勝手に動き、現金を差し出し […]
最後の笛が鳴ったあと、秋の風の中で孫のラグビークラブの時間が静かに終わった。 七年間通い続けたラグビークラブには、小さなころの笑い声と泥だらけの笑顔が今も残っている気がした。 挨拶を終えた孫に、仲間たちが次々と抱きついた […]
白い悪魔と共に戦う日々 身体が重い。倦怠感が抜けない。 風邪かと思ったが、どうやら肝臓がサボタージュを起こしているらしい。 中性脂肪、アレルギー、眠り薬、整腸剤──容疑者は多い。 とりあえず全員を三日間停職処分にしてみた […]
季節の変わり目、クローゼットの奥でひっそりたたずむのは、かつての“お買い得”たち。タグも記憶も薄れたユニクロのTシャツ、綿パン、フリース……。彼らは毎回、衣替えのたびに「断捨離ノミネート」の常連としてリスト入りする。 […]
通勤電車の中が一変した。 ほんの一週間前までシャツ一枚だった人たちが、今日はみなコートやフリースを羽織っている。 車内の空気がひやりと冷たい。冬の気配が鼻の奥をつく。 家の布団も、もう夏用では頼りない。部屋着も厚手に替え […]
ロレックスをした老婦人が、昼下がりの路上で襲われた。 「家に現金を置いているらしい」――そんな噂がどこからともなく流れて闇バイトに襲われる。 悪意ある者からすれば、狙いは単純だ。体力の衰えた者ほど、抵抗せずに金を出す。 […]
インフレの風が吹く時代。 お給料も、家賃も、建物の値段も、そして金利までもが、 ゆっくりと坂を登っていく。 そんな時代だからこそ、 せめて自分の家ぐらいは 自分の足で立っていたいのです。 安定した収入があるなら、 “身の […]
夏の間は、どうにも寝苦しかった。エアコンを切れば汗まみれ、つければ喉が痛い。寝た気がしないまま朝を迎える。人間、寝ないとどうにもならん。 最近ようやく涼しくなってきて、眠りもいくらかマシになった。ありがたいもんだ。 さら […]
『高市総裁とテンバーガー幻想』 日経平均が空高く舞い上がる中、私のポートフォリオは地べたを這っている。 もはや風も感じない。微動だにしないとは、こういうことだろう。 少ない種銭でテンバーガーを狙うなど、砂金掘りにピンセッ […]