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2026-04-14

霞を食う

夜の静けさの中、検査結果の紙だけがやけに白く浮かび上がっていた。

かつては「ガンマだけ」のはずだった。――それが今は、尿酸値、膵臓の数値までもが静かに、しかし確実に上昇している。

中性脂肪は抑え込んだ。薬という“味方”で。

だが、本丸はそこじゃない。

グラスの中で揺れる琥珀色。

それは、長年の習慣か――それとも、見て見ぬふりをしてきた代償か。

「酒か、運動か…」

自分に問いかけても、答えは分かっている。

食事は気をつけている。やれることはやっている。

それでも、数字は嘘をつかない。

静かに迫る異変。

体の中で、何かが音もなく崩れ始めている。

このまま進めば、次に待つのは“通達”か――それとも“宣告”か。

逃げ場はない。

残された選択は、ひとつだけ。

酒を断ち、体を動かし、欲を削ぎ落とす。

まるで俗世を捨てるように――

「…仙人にでも、なるしかないな」

そう呟いた瞬間、

ガラスに映る自分の顔が、少しだけ覚悟を決めたように見えた。

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