誠建設工業グループ
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2025-11-07
レジの前に立った瞬間、胸の奥で何かが崩れた。
手にはモンベルの袋。必要のない防寒具。
だが――買わねば凍死する。そんな錯覚に取り憑かれていた。
理性は叫んでいた。「今じゃない」と。
しかし指先は勝手に動き、現金を差し出していた。
あの瞬間、私は自分の意思をどこかに置き忘れたのだ。
奇妙なのは、これが初めてではないことだ。
ユニクロでも同じ現象が起きる。
“これを買わなければ仕事に支障が出る”という、
根拠のない焦燥。まるで誰かに操られているようだ。
そして、30年ぶりに煙草が頭をよぎった夜。
あの香りを思い出したのは偶然か――それとも兆候か。
脳の奥底で何かが再起動した気がする。
欲望のスイッチ。
一度入ると、止める術がない。
帰宅して袋を開けた瞬間、後悔が忍び寄る。
タンスは既に満杯だ。
犠牲者が出る――またしても、ユニクロ達が処分されるだろう。
