誠建設工業グループ
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2025-09-29
昨夜は久しぶりに、途切れず五時間の眠りを得た。
目覚めた瞬間、全身を満たす奇妙な昂揚感。力がどこからともなく湧き出し、抑えがたい。
薬でも宗教でもない。ただ、眠りが私を甦らせたのだ。
自転車通勤を再開できるかもしれない――そう思った矢先だった。
今朝、寺田町の駅で異変があった。線路に人が倒れ、電車は停まり、私は天王寺まで歩かされる羽目になった。群衆がざわめき、列車は長く停車を続ける。
もし寝不足のままだったなら、私はあの場に立っていることすら出来なかっただろう。
それでも歩き出した足は鈍く、次々と追い抜かれる。だが不思議なものだ。慣れてくると身体が熱を帯び、ついには他人を追い越していく。
その瞬間、痛快さと共に背筋に冷たい感覚が走った。動物にとって、走れぬことは死を意味する。人間で良かった、と心から思った。
私はずっと睡眠薬を拒んできた。眠りに頼るのは弱さだと信じて。だが今は違う。時にそれは生存のための武器になる。
意固地なままでは、生き残れない。
身体は軽く、頭も冴えている。
来年、また灼熱の夏が訪れるだろう。そのとき私は決めている――
眠りを支配するために、睡眠薬を手にする、と。
それが安息をもたらすのか、それとも別の扉を開けるのか。まだ誰も知らない。