誠建設工業グループ
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2025-08-31
靴を一足だけ選べと言われたら、私はモンベルの靴を選ぶ。
クリップ力が強く、舗道も岩場も難なく歩ける。重量があり、凍結した道ではスキー板のように滑るが、それもまた愛嬌だ。寒冷地を外すなら、この靴に勝るものはない。オンやオフとやらの洒落た靴など、子供の遊びに思える。
普段は青を履いている。だが、もし黒があれば、もう一足欲しい。雨にはゴアテックス、山には登山靴、と揃えてはいるが、まだ物欲は鎮まらない。評判のいいスリッパも来年には買うつもりだ。
考えてみれば、山など登らぬのに登山靴を欲しがる。見た目に惹かれ、顔つきにしびれる。ちょうど酒場で、つい余計な一杯を頼んでしまうのと同じだ。人は理屈ではなく、欲望の小さな火に突き動かされる。
釣り人が川面に竿を垂れるように、旅人が見知らぬ町にふらりと降り立つように、私は今日もまた「履かぬ靴」を思い描いている。人生とは、そういう無駄を抱えてこそ、ふくらむものなのだ。