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2025-08-20

沈黙の冷蔵庫

1月にテレビが壊れた。

6月にはクーラーが息絶え、7月には洗濯機がうんともすんとも言わなくなった。

そして8月――ついに掃除機が倒れた。

不可解な連鎖。まるで家電たちが順番を決め、次々と主の財布に牙を立てに来るようだ。背筋が冷える。まだ沈黙を守っているのは、ただひとつ――冷蔵庫。無表情に白い扉を閉ざし、唸るようにモーターを回すその存在感は、逆に恐ろしい。嵐の前の静けさか。それとも忠実な最後の砦か。わからない。

だが未来は既に決まっている。来年には車の買い替えが待ち受けている。逃げられない大出費。家計簿は赤に染まり、数字は静かに悲鳴をあげる。

今日、万代スーパーでカルローズ米を買った。千円単位の節約で少しでも抗う。だが所詮、出費は万円単位。節約の努力は“焼け石に水”というより、“嵐の中でろうそくを灯すようなもの”だ。

やがて来る冷蔵庫の沈黙を思うと、夜がひどく長い。

私は知っている。この物語はまだ終わっていない。

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